大神の遙宮― 瀧原宮 ―
■講師■
伊勢市立図書館
■説明■
特別講座eラーニングを公開します。
第3回は、「大神の遙宮― 瀧原宮 ― 」です。
立春から数えて二百十日目にあたる九月一日頃は台風が多い時季。
雑節ではこの日を“二百十日”と呼びます。
富山市八尾町の「おわら風の盆」は、嵐を鎮め風を鎮め五穀豊穣を祈る祭り。
毎年九月一日から三日まで行われます。
越中おわら節に三味線と太鼓、胡弓が伴奏を奏で、踊り手とともに町を練る町流し―。
哀調を帯びた胡弓の音色と情緒のある踊りが、幻想的な世界に引き込みます。
“野分”とは、野を分け、草木を吹き分ける荒々しい風のこと。
古い時代には台風のことを“野分”、
野分めいた風の吹くことを“野分たつ”と表現しています。
枕草子や徒然草では野分のあとの情景は、風情のあるものととらえています。
野分のまたの日こそ、いみじうあはれにをかしけれ。
『枕草子 一八九段』
(野分の吹いた翌日は、たいへんしみじみとした感じがしておもしろい。)
野分が吹きすぎるごとに、秋は深まっていきます。
時に天照大神、倭姫命に誨へて 曰はく、
「是の神風の伊勢国は、 則ち常世の浪の重浪帰する国なり。
傍国の可怜国なり。是の国に居らむと欲ふ」とのたまふ。
『日本書紀』
伊勢は、常世からの波が打ち寄せる美しい国、大和の東方に位置する日出る地―。
永遠に静まるべき理想の地に皇大神宮が創建されたのは、天照大神の教えによる。
それは、遥か二千年昔のことである。
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